エアコン掃除を自分で行う際に、市販のスプレーを活用したやり方を検討している人は多いいと考えられます。手軽にできる方法として人気がある一方で、正しく使用しないと汚れが落ち切らなかったり、故障の原因になったりするリスクもあります。
特に、スプレーの種類や使い方を間違えると、かえってカビや悪臭を引き起こす可能性があるため注意が必要です。この記事では、エアコン掃除に適したスプレーの種類ややり方、使用時の注意点について詳しく解説します。
エアコンを安全に清潔に保つために、適切な掃除方法を理解し、快適な空気環境を維持しましょう。
この記事で分かること
✅エアコン掃除スプレーの基本的な使い方と手順
✅各種エアコン掃除スプレーの特徴と適した用途
✅スプレー使用時のリスクや故障の原因
✅プロのエアコンクリーニングとの違いとメリット
ではさっそく、見ていきましょう。
エアコン掃除スプレーやり方と注意点

✅エアコン掃除スプレーの基本的な手順
✅フィルター掃除に適したスプレーの種類
✅フィンクリーナーの正しい使い方
✅ファンクリーナーの効果的な活用法
✅ドレンホースクリーナーで排水詰まりを解消
エアコン掃除スプレーの基本的な手順
エアコン掃除スプレーを使う際には、適切な手順を踏むことが重要です。誤った方法で使用すると、汚れが十分に落ちないだけでなく、故障の原因になることもあります。
以下の手順を参考に、安全かつ効果的にエアコン掃除を行いましょう。
手順①:作業を始める前にエアコンの電源を切り、コンセントを抜いておきます。これにより、作業中の感電やショートを防ぐことができます。
また、部屋の窓を開けて換気をし、掃除中に発生するスプレーの成分がこもらないようにしましょう。
手順②:エアコンのカバーを開けてフィルターを取り外します。フィルターはスプレーではなく、掃除機でホコリを吸い取るか、水洗いして乾燥させるのが基本です。
手順③:エアコン内部のフィン(熱交換器)にスプレーを均等に噴射します。スプレーは5〜10cmほど離した位置から、上下に動かしながら満遍なく吹きかけると効果的です。
スプレーをかけた後は、数分間そのまま放置し、汚れが浮き上がるのを待ちます。
手順④:エアコンの送風機能を使用して内部を乾燥させましょう。送風を1〜2時間ほど行うことで、スプレーの成分が残らず乾燥し、カビの発生を防ぐことができます。
手順⑤:取り外したフィルターを元の位置に戻し、エアコンのカバーを閉じて掃除完了です。掃除後はエアコンの動作確認を行い、異常がないかを確認すると安心です。
フィルター掃除に適したスプレーの種類

エアコンのフィルターはホコリがたまりやすく、定期的な掃除が必要です。掃除方法としては、掃除機でホコリを吸い取るか水洗いが基本ですが、汚れがひどい場合は専用のスプレーを使うと効果的です。
フィルター掃除に適したスプレーは「フィルタークリーナー」と呼ばれるもので、洗浄成分が含まれており、ホコリや油汚れを落としやすくなっています。
主な種類としては、泡タイプと液体タイプがあります。泡タイプは汚れを浮かせて分解しやすくするのが特徴で、液体タイプは広範囲に均等に塗布しやすいという利点があります。
手順①:使用する際は、フィルターを取り外し、新聞紙やシートの上に置いてスプレーを噴射します。
手順②:その後、数分間放置して汚れを浮かせた後、水で洗い流しましょう。
手順③:スプレーによってはすすぎが不要なものもありますが、洗剤成分が残るとエアコンの風とともに室内に放出される可能性があるため、しっかりとすすぐことをおすすめします。
手順④:最後に、フィルターを完全に乾燥させてから元の位置に戻します。湿ったまま取り付けるとカビが発生しやすくなるため、日陰で十分に乾かすことが大切です。
フィンクリーナーの正しい使い方
エアコン内部のフィン(熱交換器)は、冷房や暖房を行う重要な部分です。しかし、フィンはホコリやカビが付着しやすく、放置するとエアコンの効率が下がるだけでなく、異臭や健康被害の原因になることがあります。
そのため、専用の「フィンクリーナー」を使用して定期的に掃除することが推奨されます。
使い方①:フィンクリーナーを使用する前に、エアコンの電源を切り、コンセントを抜いておきます。作業中の感電を防ぐための大切な準備です。
使い方②:エアコンのカバーを開け、フィルターを取り外します。フィルターにホコリが溜まっている場合は、掃除機で吸い取るか水洗いして乾燥させましょう。
フィンの掃除では、まず掃除機のブラシノズルを使い、表面のホコリを軽く吸い取ります。
使い方③:フィンクリーナーを10cmほど離した位置から均等に噴射します。スプレーは上から下へ向かって吹きかけると、汚れが流れ落ちやすくなります。
スプレーをした後は、数分間放置して汚れが浮き上がるのを待ちます。
使い方④:送風運転を1〜2時間行い、内部をしっかりと乾燥させます。水分が残るとカビが発生しやすくなるため、送風は忘れずに行いましょう。
フィンクリーナーの使用頻度は、年に1〜2回が目安です。エアコンの使用頻度が高い場合は、シーズンごとに掃除を行うと、効率よく快適な空気を維持できます。
ファンクリーナーの効果的な活用法
エアコンのファンは、空気を送り出す重要な部品ですが、ホコリやカビが付着しやすく、放置すると悪臭や冷暖房効率の低下を招きます。ファンクリーナーを活用することで、効果的に汚れを除去し、快適な空気環境を維持できます。
活用法①:エアコンの電源を切り、コンセントを抜いてから作業を始めます。
活用法②:エアコンの吹き出し口を確認し、内部にある筒状のファンを掃除しやすいように準備します。市販のファンクリーナーはノズルが細長くなっているものが多いため、吹き出し口から直接スプレーできるタイプを選ぶと便利です。
活用法③:スプレーを使用する際は、ファンの回転を手でゆっくりと動かしながら、まんべんなく噴射します。ムース状のクリーナーであれば、汚れに密着して浮かせる効果が期待できるため、30分ほど放置してからすすぎを行いましょう。
活用法④:すすぎには専用のリンス剤を使うか、霧吹きに入れた水道水を活用する方法があります。
活用法⑤:エアコンの送風運転を1〜2時間行い、内部を完全に乾燥させます。乾燥が不十分だとカビの発生につながるため、しっかりと時間を確保しましょう。
ファンの掃除は、エアコンの使用頻度に応じて年1〜2回行うと、清潔な状態を維持しやすくなります。
ドレンホースクリーナーで排水詰まりを解消

ドレンホースは、エアコン内部で発生した結露水を外へ排出する役割を持っています。しかし、ホコリやカビ、虫の侵入によって詰まりが発生すると、水漏れやエアコンの異常動作の原因となります。
ドレンホースクリーナーを活用すれば、簡単に詰まりを解消できるため、定期的なメンテナンスが重要です。
手順①:ドレンホースの出口を確認し、異物が詰まっていないかを目視でチェックします。ホースの先端にヘドロのような汚れが見える場合は、詰まりが発生している可能性が高いため、クリーナーを使用する準備を進めましょう。
ドレンホースクリーナーには、手動ポンプ式のものが一般的で、ホースの先端にノズルを差し込み、ハンドルを引いて汚れを吸い出します。
手順②:ホースの内部が完全に詰まっていると、一度の作業では取り切れない場合があるため、数回に分けてクリーナーを使用すると効果的です。
手順③:クリーニング後は、ホース内部に水を流し、正常に排水されるかを確認します。スムーズに排水されれば問題ありませんが、まだ詰まりが残っている場合は再度クリーナーを使いましょう。
手順④:詰まりを予防するために、防虫キャップを取り付けるのも一つの対策です。定期的にホースの状態をチェックすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
エアコン掃除スプレーやり方のリスクとは

✅スプレー使用でエアコンが故障する危険性
✅汚れが落ち切らず逆効果になる理由
✅カビや悪臭が発生する可能性がある
✅メーカー保証対象外になるリスク
✅プロのエアコンクリーニングが最適な理由
✅エアコン掃除 スプレーやり方のポイントと注意点:まとめ
スプレー使用でエアコンが故障する危険性
市販のエアコン掃除スプレーは便利に見えますが、使用方法を誤ると故障の原因になることがあります。特に、電子部品への水分付着や、洗浄成分の残留が大きなリスクとなります。
リスク①:エアコン内部には、電装基板やセンサーなどの電子部品が配置されており、スプレーの噴射によってこれらに水分が付着すると、ショートや誤作動を引き起こす可能性があります。最悪の場合、修理が必要になったり、エアコンが完全に動かなくなったりすることもあるため、慎重に扱う必要があります。
リスク②:スプレーの洗浄成分がエアコン内部に残留すると、カビやホコリと混ざり合い、かえって汚れを悪化させることがあります。洗浄後にしっかりすすぎを行わないと、時間の経過とともに異臭の原因になることも少なくありません。
リスク③:アルミフィンやドレンパンの腐食を引き起こし、結果的にエアコンの寿命を縮めるリスクもあります。こうした故障のリスクを回避するためには、スプレーを使用する際にエアコンの電源を確実に切ること、電子部品に直接かからないようにすること、そして使用後の乾燥を徹底することが重要です。
安全にエアコンを掃除するためには、スプレーを使用するよりも、プロのクリーニングを依頼するのが最善の選択肢となるでしょう。
汚れが落ち切らず逆効果になる理由
エアコン掃除スプレーは手軽に使える便利なアイテムですが、実際には汚れを完全に取り除くことが難しいケースが多く、かえって逆効果になることがあります。
逆効果①:エアコン内部の複雑な構造が影響し、スプレーだけでは奥深くにこびりついた汚れを落としきれません。スプレーを噴射すると、一時的に汚れが浮き上がります。
逆効果②:すすぎが不十分だと、浮いた汚れが内部にとどまり、エアコンのフィンやファンに再付着してしまいます。
逆効果③:洗浄成分がフィンの隙間に残ると、ホコリと結びついてさらに汚れが蓄積しやすくなります。また、スプレーでは物理的にこすり洗いができないため、頑固な汚れやカビを完全に除去するのは困難です。
逆効果④:掃除したつもりでも、エアコンの効率が下がったり、空気の流れが悪くなったりする可能性があります。汚れをしっかり除去するには、エアコンを分解し、適切な洗浄方法で清掃する必要があります。
カビや悪臭が発生する可能性がある(デメリット)
エアコン掃除スプレーを使用すると、一見きれいになったように感じるかもしれません。
デメリット①:洗浄後にしっかりと乾燥させないと、逆にカビや悪臭の原因となることがあります。
デメリット②:スプレーには洗浄成分が含まれていますが、これがエアコン内部に残ったままになると、湿気とホコリが混ざり合い、カビの温床になりやすくなります。
デメリット③:フィンやファンの奥に入り込んだ洗浄液が十分に乾燥しない場合、湿った環境が長時間続き、結果としてカビが繁殖するリスクが高まります。
デメリット④:スプレーで浮き上がった汚れが完全に排出されずにエアコン内部にとどまると、時間の経過とともに異臭の原因になります。送風運転をした際に、カビ臭さや化学薬品のようなニオイがする場合は、スプレーの成分や取り切れなかった汚れが影響している可能性が高いでしょう。
こうした問題を避けるためには、スプレーだけに頼らず、定期的に専門業者によるクリーニングを行うことが望ましいです。
メーカー保証対象外になるリスク
エアコン掃除スプレーを使用することで、エアコン本体が故障した場合、メーカーの保証対象外になることがあります。
リスク①:多くのメーカーがスプレーを使用した掃除方法を推奨していないためです。
リスク②:スプレーによる洗浄では、誤って電子部品やセンサーに液体がかかる可能性があります。これにより、電装基板のショートや誤作動が発生し、エアコンが正常に動作しなくなることもあります。
リスク③:こうした故障は、メーカーの保証範囲外とされることが多く、修理費用が自己負担になるケースが少なくありません。
リスク④:洗浄成分が内部の樹脂やゴム製部品に影響を与え、劣化を早めることも考えられます。
リスク④:エタノールを含むスプレーは、プラスチック部分を脆くする可能性があり、長期間使用すると部品の破損につながることがあります。保証を適用できないリスクを回避するためにも、メーカーの推奨するメンテナンス方法を確認し、適切な掃除を心がけましょう。
プロのエアコンクリーニングが最適な理由
エアコンの掃除は、手軽にできる市販のスプレーよりも、プロのエアコンクリーニングを利用するのが最適な方法です。
推奨理由①:プロに依頼することで、エアコン内部の隅々まで徹底的に洗浄でき、長期間にわたって清潔な状態を維持できます。
推奨理由②: 専門業者は、エアコンを分解し、高圧洗浄機を使って内部のフィンやファンを洗浄します。これにより、スプレーでは取りきれない頑固な汚れやカビをしっかり除去できます。
推奨理由③:洗浄後の乾燥処理も適切に行うため、カビの再発を防ぎ、異臭の発生を抑えることができます。
推奨理由④:プロのクリーニングでは、エアコンの動作確認や故障の兆候をチェックしてもらえるため、トラブルの早期発見にもつながります。結果として、エアコンの寿命を延ばし、冷暖房の効率を向上させることが可能です。
コスト面を考えると、市販のスプレーを使う方が安く感じるかもしれません。
推奨理由⑤:誤った掃除方法でエアコンを故障させてしまうと、修理費用や買い替え費用がかかる可能性があります。長期的に見れば、定期的にプロのクリーニングを依頼するほうが、経済的にも安心できる選択肢となるでしょう。
エアコン掃除 スプレーやり方のポイントと注意点:まとめ
エアコン掃除スプレーやり方と注意点!正しく使って故障を防ぐ方法を解説をまとめてみました。
・エアコン掃除スプレーは正しい手順で使用しないと故障の原因になる
・使用前に必ずエアコンの電源を切り、コンセントを抜く
・スプレーをかける前にフィルターのホコリを掃除機で吸い取る
・フィン用スプレーは10cmほど離して上下に動かしながら噴射する
・スプレー後は数分放置し、汚れを浮かせてから送風で乾燥させる
・フィルター掃除には泡タイプと液体タイプの専用クリーナーがある
・フィルターは洗浄後にしっかり乾燥させてから取り付ける
・ファンクリーナーはノズルを使い、回転させながら均等にスプレーする
・ドレンホースクリーナーは詰まりの原因を吸い出す手動ポンプ式が一般的
・スプレー洗浄後に乾燥が不十分だとカビや悪臭の原因になる
・洗浄成分が電子部品に付着するとショートや誤作動のリスクがある
・スプレーの残留成分が汚れと結びつき、逆に内部を汚してしまうこともある
・メーカー保証の対象外となる可能性があるため注意が必要
・プロのエアコンクリーニングなら分解洗浄で隅々まで汚れを落とせる
・長期的に見るとプロに依頼する方がエアコンの寿命を延ばせる
最後まで目を通してくれてありがとうございました